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(1)契約の解除
一般に、契約の解除(termination of contract)という場合、当事者間の基本取引に関する契約[例えば、売買契約等]が、各当事者の債務履行により消滅(discharge)するか、あるいは当事者の合意または法により終了することを指す。例えば、不可抗力事由による履行不能、当事者の破産、支払不能、営業停止など特定事由発生による契約解除である。
また、契約期間満了による解除がある。これらの契約の解除(または解約)は、いずれか一方の当事者が、相手方の契約違反に基づいて契約を解除させること(Cancellation)と区別される。

 

(2)本条の解約条項
本条の規定は、基本取引契約の解除に関するものではなく、EDI協定の解約に関する規定である。EDI協定は、原則として、当事者間の基本取引契約を長期間にわたり反復して電子的に締結するために合意されたのである。したがって、EDI協定の有効期間は、少なくとも、当該協定の発効日に開始して、基本取引契約の有効期間または当該有効期間内に締結された最後の契約が終了するまで、または基本取引契約が上記の原因によって解除されるまで、あるいはEDI協定書の解約条項に従って終了するまで、継続するものと考えられる。また、EDI協定書に有効期間が明示されており、当該有効期間内にのみ基本取引契約を締結することができる場合もあろう。

 

(3)協定の期間と解約
モデル交換協定書は、頭書の日付をもって効力発生日とするが、特にr期間」に関する規定を設けていない。米国のEDI協定書にも「期間」に関する規定がない。英国、カナダおよびノルウェーのEDI協定書には、「期間」に関する規定があるが、もちろん具体的な期間は明示されていない。英国のEDI協定書では、「期間」に関する規定の中で、協定がr本協定書の日付より発効し、一方の当事者の相手方に対する4週間以上前の通知によって解約されるまで継続する」と規定している。カナダのEDI協定書は、「本協定の期間は、本協定書の日付から開始し、供給契約の終了あるいは満了するときに終了するか、または本協定書に定める解約条項に従って終了するまで、継続するものとする」と規定している。すなわち、EDI協定は、(1)供給契約の終了あるいは満了するとき、または(2)いずれか一方の当事者が、相手方に[所定の日数]以上前に書面をもって解約の通知

 

 

 

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